がん免疫療法と自家がんワクチン
がんワクチン療法
1. 改変がん細胞ワクチン / 2. 自家がんワクチン
がん免疫療法の研究開発は、かつてのキノコ抽出液や丸山ワクチンなどのBRM製剤の時代(1980年代まで)を第一次ブームとすれば、1991年から現在までは、世界のがん研究者の間でも第二次ブームの真最中にあります。がんワクチンは、がん免疫療法の研究開発テーマの中でも最重要課題で、最先端治療法として期待されているものです。
“がんワクチン”と認識されているものには、何らかの形で「がん抗原」がワクチン製剤の重要成分として加えられています。がん抗原といわれるものの本体は、がん細胞中にごく微量あるがん抗原タンパクが部分的に分解されてできる「がん抗原ペプチド」ですが、がん抗原ペプチドの化学構造が不明であった当初は、他人のがん細胞そのものを放射線で不活化したり、免疫細胞を活性化できるサイトカイン遺伝子を組み込んだ組換えがん細胞が使用されました。それらは「改変がん細胞ワクチン」といわれています。
このとき、患者様自身のがん細胞を、その方のためにワクチンとして使用するのが「自家がんワクチン」です。ただし生きているがん細胞を患者自身から直接大量に取り出すのが意外にも技術的に困難でした。
そこで注目されたのが、病理診断で余ったがん組織そのものを使用する方法です。がん組織は病理診断のために、必ずホルマリン漬けにしてがん細胞を殺し、さらにはパラフィンに埋め込まれブロックとされ、切片にされます。しかし、大部分のホルマリン固定がん組織は余り、この中にもがん抗原が大量に残っています。これを利用すると、患者様自身の体内では必ず正常組織とは異なりますので、非常に効率よく体内の免疫細胞を刺激できます。いまでは「自家がんワクチン」といえば、このようなホルマリン固定がん組織を利用したワクチンのことを指すようになっています。











