自家がんワクチンの高いがん特異性についてご覧いただけます。

自家がんワクチンの開発史

高いがん特異性

がん細胞だけを攻撃します

副作用を出さないために重要なのは、がん細胞だけを攻撃して、正常細胞は攻撃しないという特異性です。

Pt.46CとPt.46Nは同一の腎臓から分離された腎がん細胞と正常腎細胞です。GT3TKB、TUHR3TKB、TUHR4TKBは同じMHC-class I分子(HLA A2402由来)を持つ他人のがん細胞です。これらの細胞に、Pt.46Cをホルマリン固定して誘導したCTL(ホルマリン固定)とホルマリン固定しないで誘導した患者さん本人のCTL(未固定)を使って、抗腫瘍活性を調べて見ましたが、がん細胞であるPt.46Cはよく殺しても、正常細胞であるPt.46Nは殺しません。同じMHC-class I分子を持たない他人のOS-RC-2は、腎がん細胞としては同じはずですが、全く殺しません。Hpt.10は、おそらくPt.46Cと一部共通のがん抗原があるためでしょう、中途半端な殺し方をしています。

自家がんワクチンはがん組織を使って製造しますが、がん細胞中にはがん抗原となる異常なタンパク質と一緒に、遺伝子変異が起こっていない通常のタンパク質がたくさんあります。そのため、これらの分子に対する免疫を誘導してしまうと自己免疫疾患を発症してしまう恐れがあります。

しかし、体内のリンパ球は自己抗原に反応しないように、分化の段階で自己反応性のリンパ球は「負の選択」を受けており、成長することができません。実際に、同一の患者さんのがん部領域と非がん部領域の上に誘導したCTLを載せて培養してみるとがん部領域で培養した場合のみCTLの増加が見られますが、非がん部領域の場合は、組織がない場合とほとんど変わらず、CTLが誘導されていません。

これまでのところ、自家がんワクチンを投与することによって、自己免疫疾患を発症したと確認された方はおりません。しかし、既に自己免疫疾患がある方の場合、これらの症状を悪化させてしまう可能性があるため、自家がんワクチンを受けることができません。

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