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第8回がんワクチン療法研究会から―その1―会長講演
22
Nov
先週土曜日(11月19日)、第8回がんワクチン療法研究会が東京女子医大にて開催されました。
その中でも注目された会長講演の内容を、まずご紹介します。
<会長講演>
現在の本邦におけるがん免疫療法の全体像が示されていた。自家がんワクチンは自由診療だが、ペプチドワクチンは治験に、樹状細胞療法は第2項先進医療で混合診療に進んでいる。
2005年までの免疫細胞療法時代(全18例、グレード4の膠芽腫12例、グレード3の神経膠腫4例、他に1例ずつ)から現在の自家がんワクチン療法までの女子医大における成績を概括すると、腫瘍サイズが半減以上となった症例の割合(奏効率)は15%(3/18例)、嚢胞性の場合にはCTL、NKを局所投与すれば著効例がでやすい。うちグレード4の症例の1例は投与10年後の現在でも問題なく元気である。またグレード3の再発例(8歳、NK療法)では、投与後11年無再発である。上衣腫(1歳女児)の症例ではNK療法で一時的に腫瘍が激減した。
その後自家がんワクチン療法の時代に入った。グレード4の膠芽腫で、J. Neurosurg.論文となった昨年までの我々の多施設共同臨床研究では、免疫反応テストで陽転した症例群では、陽転しなかった群に比べ、無増悪生存期間が長く、統計学的有意差があるが、全生存期間中央値には有意差がなかった。しかし、その後追跡調査で、現時点の生存例(最長71ヵ月)も加えて再計算すると、全生存期間中央値でも有意差が出ている(つまり、陽転すると長生きできている)。
この臨床研究に参加した症例の他に、自由診療で受診したグレード4の膠芽腫症例も加えると、全生存期間中央値が30.4ヵ月、5年生存率は23.4%にもなる。これには、「初期治療+テモダール維持療法」でまだ再発していない症例(長期生存可能なはずの症例)に自家がんワクチンを接種した例も含まれるという、患者選択バイアスが含まれている。
そこで、自院の歴史対照群も含めて症例ごとに仔細に検討して選択バイアスがなくなるように合わせてみると、全生存期間中央値は自家がんワクチン投与群が28.5ヶ月、非投与群(自院の歴史対照群)が15.5ヵ月となり、統計学的に有意差があった(p=0.0151)。すなわち、自家がんワクチンを投与すれば長生きできる。
さらに、今年米国で発表されたYangらの報告では、樹状細胞療法の抗原として、(1)自家がん組織と(2)合成がん抗原ペプチド4種を混合して用いた場合を比較すると、2年生存率が(1)55% 対 (2)33% で、抗原としては自家がん組織の方が良い(p<0.0357)ことが判明したという。
自家がんワクチンについては、今後さらに、多施設ランダム化試験によるエビデンスの追加が望まれる。







