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がん免疫療法:今秋の学会で発表された効果に関する新トレンド

07

Dec

 先週、がん治療の専門家向けの当社サイト「ドクター通信アーカイブ」に、
  「今秋に集中した学会の話題から」
と題して、がん免疫療法関係の学会の概要報告を掲載しました。内容を一般の方々のために少し書き直して、以下に再録します。

 その前に、「チョットとっつきにくそうだ、もっと易しく書いたものはないかな~」とお考えの方は、まず銀座並木通りクリニック・三好立先生の書かれたコラムをお読みいただければ幸いです。さすがに、毎日がん患者様の相談にのっておられる専門医の説明は、本当にわかりやすいです。

 特にこのコラムの中の「免疫療法-考え方は大きく分けると2つ-」、「2大免疫療法-養子免疫療法とガンワクチン療法-」の部分などは、筆者にも非常に参考になりました。

 こちらです → 「免疫療法-期待される第4の治療法-」
         http://www.ginzanamiki-clinic.com/column/meneki.html

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 毎年、秋は学会シーズンで、にぎやかな会が幾つか集中します。今年も10月に入ってから、がん免疫療法に関係の深い学会が次々と開催されました。並べてみますと

 ・第67回 日本癌学会、横浜、10月1-3日
 ・第47回 日本癌治療学会、横浜、10月22-24日
 ・第 6回 がんワクチン療法研究会、京都、10月31日
 ・第22回 日本バイオセラピィ学会、大阪、11月26-27日

 いずれも、がんワクチン関係の臨床効果に関する新規発表が相次ぎました。

 大きな学会では、がんペプチドワクチンの大型臨床試験が進行中との報告がありましたが、まだまだ早期段階の安全性確認試験が多く、効果が判定できる試験結果が発表されてくるのは、早くてもあと1-2年かかりそうです。

 小さな「がんワクチン療法研究会」では、参加された先生方の現場で日々経験されている自家がんワクチン療法の症例報告を題材に、目の前の患者様にどのように対応すべきか、他療法との組み合わせをどう生かしていくか、症例に即した具体的な議論が活発でした。

 その会の会長講演(京都府医大・古倉聡先生)の中で、化学療法と免疫療法の比較論がありました。筆者が気づかされたキーポイントは、
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  化学療法:一定の割合でがん細胞を殺す
      → 必ず生き残りがでる。
  免疫療法:がん細胞のある絶対数を殺す
      → 通常体内にある10^6ヶのキラーリンパ球数では、がん細胞が10^9ヶ
        (直径1cm、細胞数はキラーリンパ球の1000倍)もあると殺しきれない。
  だから、集学的治療が重要だ。
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というものでした。

 術後残存がん・再発がんに対しては、化学療法(抗がん剤療法)、放射線治療、温熱療法などでできるだけがんを縮小させてから、残った少数がん細胞をがん免疫療法でたたく、という作戦が考えられます。

 秋の学会全体を俯瞰したとき、ひとつの注目すべき傾向は、がん免疫療法では、臨床効果が抗がん剤の場合のように投与後すぐに現れることは少なく(がんのサイズが1-3ヶ月の期間で縮小するような例は少ない)、むしろ一旦悪化しても、3-6ヶ月かけてジワジワと効いてくる例があることです。

 そのため、ペプチドワクチンでもそうですが、投与前後4週間程度でがんのサイズの変化を計測する現行の評価方法では、PD(がん進行)やSD(不変)と判定されてしまう症例でも、がん免疫療法では、6ヶ月もするとがんは縮小しはじめ、やがてPR(部分寛解)となっていく例があったり、最初からPDでありながら悪化の速度が異様に遅くダラダラとしていてなかなか最終段階にいかないPD例や、SD状態が1年以上も続く例が多く見られました。

 結局は、従来の抗がん剤療法よりもずっと長生きできそうなのです。

 従来の抗がん剤療法との違いがこのようなダラダラPD症例として現れた場合、エビデンスとして評価する方法(統計学的な計算方法)も、随分変わってくると考えられています。