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がん治療法:昨年の主要な進歩
14
Jan
ASCO(米国臨床腫瘍学会)はがん専門医が集う世界最大の学会で、昨年シカゴで開催されたときには、約3万人が参加したそうです。
このたび、会員向けにASCOから発行された"Clinical Cancer Advances 2007"に、がん治療分野であった2007年の主要な進歩の要約 が発表されました(J Clin Oncol 26(2),別冊, 2008.)。以下をご覧下さい。
<再発予防とスクリーニング>
●乳がんのスクリーニングのためのMRI(核磁気共鳴画像)検査
昨年、米国がん協会(American Cancer Society)から初めてMRI検査のためのガイドラインが発行された。20%以上の乳がん発生リスクをかかえるハイリスクグループの検診に有用である。片方の乳房にがんがある場合、マンモグラフィーで見逃された他方の乳房のがん発見に役立つ。また、非浸潤性で前がん状態の検出が可能である。
しかし、一般人の乳がん検診向けには、MRI検査はコスト高、標準化が未完、擬陽性が多いことから、未だ推奨されておらず、現在はマンモグラフィーがベストという状況にある。
●ヒトパピローマウイルス感染と頭・頸部がんとのリンク
ヒトパピローマウイルス(HPV)は子宮頸部癌で検出されるが、頭・頸部癌でも癌に関与しているという報告が2つあり、HPVワクチンが発生予防に役立ちそうである。
1つは喫煙と飲酒に関係なく、口腔癌の72%に、子宮頸癌に関与するHPVが発見されたというもの。もう1つはHPV(+)の患者はHPV(-)の患者よりも予後が良かったというもので、ウイルスを持つ患者は、癌の進行と死亡のリスクが低くなっていると推定される。
すなわち、HPV感染により発ガンしている可能性があるが、同時にHPVに対する免疫反応が予後に関係している可能性が考えられる。
●ホルモン置換療法の減少による乳がん発生率の減少
閉経後にエストロジェンとプロゲステロンを投与するホルモン置換療法は乳がん発生リスクを高めるが、2002年以降にホルモン置換療法が減少するにつれ、乳がん発生率も有意に下がっている。
●予防的放射線照射による小細胞肺癌患者生存率の改善
小細胞肺癌は脳転移しやすいが、予防的な頭部へのRTで脳転移リスクを2/3に減少させ、生存期間を延ばすことができた。
<難治性がんの治療>
●新規分子標的薬(Sorafenib)が肝がんに延命効果
大規模臨床試験で、肝細胞がんでは、ソラフェニブ(Nexavar)により44%の患者が延命した。現在、ソラフェニブは米国ではすでに認可されている。
●アバスチンが進行性腎がんに改善効果
初期治療で、インターフェロン-α2aに加え、ベバシズマブ(bevacizumab、アバスチン)を加えると腎癌の無増悪生存率が改善され、約2倍になった(5.4ヶ月から10.2ヶ月になった)。ベバシズマブは、米国では転移性直腸結腸癌、非小細胞肺癌の治療において認可されている。
歴史的には腎細胞癌は難治性で、これまでの方法ではわずかな治療効果しかなかったが、ここ2年で、3つの標的治療薬が登場、延命・無増悪生存期間を改善し、FDAの認可を受けている。ソラフェニブ、スニチニブ(Sutebt)、テムシロリムス(Torisel)である。
将来的なトライアルとして、ベバシズマブとこれらの薬との併用や、新しい治療法との組み合わせが期待される。







