よくあるご質問と回答
自家がんワクチンの効果
11 どんながんにでも効くのですか?
「自家がんワクチン」が 患者様の体内の狙ったがん細胞を殺せるキラー細胞をうまく活性化できれば、狙ったがんがどんな種類であれ、 効果が期待できます。 ただし、条件があります。
キラー細胞のうちCTLは、相手が正常細胞ではなく、異常だと認識すれば、どんながん細胞でも殺します。 しかし、相手のがん細胞側が異常だという目印を示していないといけません。また、その異常目印(TAA、がん抗原)を認識して殺せるCTLが体内で大量に増殖しないといけません(このため、大切な免疫細胞もまとめてがん細胞と一緒に殺してしまうような「強烈な抗がん剤療法」とは、がん免疫療法は一般的には両立しないとされています。※注参照)。
CTLの増殖スピードよりも、がん細胞の増殖スピードが早い場合は、CTLの増殖が追いつかないため、がん細胞を殺しきれなくなってしまいます。そのため、あまりにも進行し最末期になってしまった患者様では、「自家がんワクチン」療法では対応し切れないという事態が起こります。
(※注:<2009.5.6 修正>最近の研究では、がんワクチン療法では、「低用量」抗がん剤と併用した方がむしろ良い場合があるという学会発表や論文が多数でてきております。 例えば脳腫瘍におけるテモダールや膵がんにおけるジェムザール等です。他のがん種ではどの抗がん剤をどの程度ならば併用しても大丈夫かという点については、患者様の主治医にお問合せ下さい。)
また、がん細胞のなかにはその異常目印を示さないように変異したやっかいものが出来てくることがあります。そうなるとCTLは、敵と認識できず、見逃してしまいます。 このような場合は、がんの末期でなくても、再発や転移が発生します。がん末期になってしまうと、なおさらこの確率が高くなってきます。
しかし、キラー細胞のうちNKは、この異常目印があるなしにかかわらず、相手が本来体内にない異常細胞であれば、どれでも殺してしまいます。ただし、相手側の細胞にNKに殺されないようにする阻害分子(CTLに対して目印を示す分子の1種でもあります)が備わっていると殺すことができません。正常細胞はこの阻害分子を持っていて、示す目印も正常のものなのです。がん細胞はこの阻害分子を持っていない場合が多いのですが、まれに持っている場合もあります。
したがって、がん細胞が異常目印を示す分子を持っている場合はCTLが殺し、異常目印を示す分子を持っていない場合(阻害分子もない場合)はNKが殺すことができます。(がん細胞が異常目印を示す分子を持たず、しかも、NKにも殺されないようにする阻害分子を持っているという、全く運の悪い場合は非常に少ないと考えられていますが、 万一あれば、がん免疫療法はうまくいきません。)
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