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切除・自家がんワクチン・低量化療の三者併用が奏功したS状結腸癌術後多臓器転移の一例

【目的】根治切除後多臓器に転移した症例に切除+自家がんワクチン+経口化療でPS0の長期生存症例を報告する。
【方法・成績】73歳、男性、主訴、腹痛・腹部腫瘤触知。H.9年、他医でS状結腸癌切除(粘液産生腺癌)。平成17年小腸を巻き込む局所再発切除(他医)。H.18年3月、腹膜再発にて胆小腸切除・胆嚢摘出術施行(他医)しUFT、FOLFOX、TS1等の術後化療を行うも、H.19年2月亜イレウス、臍下部腫瘤(約3cm)出現で手術不能。自家がんワクチン希望で当科を紹介。受診時、腹膜と小腸を巻き込む腹壁腫瘤(2x3.5x2.7cm)・肝(S6)孤立転移(1.5cm径)、上行結腸壁転移を認めた。3月、肉眼転移巣を全て摘出した。低量UFT (450 mg/日)・クレスチン・シメチジンを経口投与し、摘出転移癌組織で自家ワクチン作製し皮下接種した(1回目)。術前18.5のCEAは術後3.8に下降したが、9月には5.7に再上昇。CTで4x3.4cmの骨盤内播種、PET/CTも同部にHot spotを認めた。平成19年10月転移巣再摘出、摘出癌で2回目のワクチン接種とゼローダ(600mg/日)経口投与を行った。此の時、がん特異抗原に対する免疫応答は軽微(DTH疑陽性)で、免疫パラメータ(DTH, CD4, CD8, CD25)は正常範囲を維持し、術後CEAは2.8に下降し大動脈リンパ節転移も縮小した。一方、左右の水腎症を認め、左尿管にカテーテルを挿入した。しかし、術後5
ヶ月目からCEAが11.1まで急上昇した為、H.20年11月に再々再摘出を行い、その3ヶ月後には3.2に下降した。H21年4月のPET/CTでも新転移病巣の出現は無く。H.22年1月現在4.8を維持している。この間、H21年3月の転移巣切除以降はPS0を持続し抗癌剤の副作用も認めない。本年1月のDTHテストは明確な陽性(14x17mm)であった。
【結論】末期がんでも根治術から数年後に再発したPS良好例を選べば、転移病巣切除+自家がんワクチン+低量化療でQOLの高い長期生存が得られる可能性があると考えられる。