臨床医の先生方へ

臨床研究(肝臓がん)

「結局、効くの?」

この、シンプルかつストレートな質問にお答えするために、自家がんワクチンの有効性について、術後肝臓がんの再発抑制効果を第II相後期臨床試験 (Clinical Cancer Research, 10: 1574-1579, 2004.)で、また多型膠芽腫( Glioblastoma multiforme, GBM )の治療効果を臨床パイロット試験(Cancer Sci., 98:1226-1233, 2007.)で、検討いたしました。

同時期に肝がんの手術を受けた症例をランダムに対照群と自家がんワクチン投与群に分け、再発抑制効果、延命効果を観察しました。

臨床研究(肝臓がん) 図1

18 例の患者に自家がんワクチンを投与した結果、対照群の患者 21 例に比べ、 15 ヶ月(中央値)の追跡調査で、肝がん再発リスクが 81%も抑えられました。これは、統計学的に有意な差(P=0.003)があります。

臨床研究(肝臓がん) 図2

試験期間中に死亡したのは対照群で 21例中 8例(38%)もあったのに対し、ワクチン投与患者では 18例中たった 1例(6%)に過ぎませんでした。統計学的に有意な(P=0.01)延命効果があります。

臨床研究(脳腫瘍)

脳腫瘍のうち、グレードIVの多型膠芽腫(Glioblastoma multiforme, GBM)は、初回手術の後、再発(ほとんど必発とされている)をきたした場合、効果的な治療法がなく、予後が極めて不良とされています。

日本では、2006年7月より、GBMの標準的治療法として、初発患者に対し「手術+放射線治療+テモダール投与」が行われておりますが、これでも全生存期間中央値(MST)は 14.6ヶ月で、「手術+放射線治療」のみの場合の 12.1ヶ月に比べ、中央値がわずかに 2.5ヶ月増加するにすぎません。

我々が臨床試験をスタートした段階では、現在標準治療で使われているテモダールが日本で認可前だったため、「手術+放射線治療+自家がんワクチン投与」という治療方法で有効性を検証しましたが、再発患者を含むGBM症例群において、全生存期間中央値は 24ヶ月となりました。

臨床研究(肝臓がん) 図3

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