ドクター通信
221 第7回がんワクチン療法研究会から--その1--
02
Dec
第7回がんワクチン療法研究会学術集会が、11月27日(土)、金沢にある石川県立音楽堂で開催されました。その中から、自家がんワクチン関係の話題をご紹介します。
(1) 金沢大・消化器内科(梶喜一郎先生他)から、肝がんの初回治療として手術を受けられた9例に対し、自家がんワクチン療法を施行した後の経過観察結果が報告されました。うち、無再発が5例、再発4例(観察期間中央値は46ヶ月と長い)でしたが、死亡は1例のみだそうです。
歴史対照群と比較すると、例数が少ないため、まだ統計学的有意差にには至っていませんが、Kaplan-Meierカーブからは良い傾向が見て取れ、希望がもてる結果となっています。
(2) 聖隷佐倉市民病院(小池直人先生)から、「高エンドトキシン量の自家がんワクチンを安全に投与し得たIgA腎症合併胃がん術後の1例」について報告がありました。
ワクチン中のエンドトキシンが2582EUもあっても、(さすがにワクチン接種前のDTH-1テストでも強陽性反応を示していましたが)、ショック等の重篤な合併症もなかったとのことです。この方はIgA腎症を基礎疾患として持っておられましたが、既に透析導入中で、腎症は末期であり、これ以上の悪化はないと考えられていた症例です。
自己免疫疾患の可能性があっても、病勢を慎重に見極めれば、自家がんワクチンも投与可能だという例でしょう。
自家がんワクチン作製のためのがん組織はホルマリン固定されていますから、がん組織中に混入したエンドトキシン自体もホルマリンで化学的に組織内で固定されていると考えられ、このように常識的には危険な量のエンドトキシンが入っていても、実際は問題ないと考えられます。
なお、この方のDTH-2テストの結果は、免疫能が低下している慢性腎不全にもかかわらず、DTH-1よりもさらに強陽性となったとのことです。
(3) 東京女子医大脳神経外科(丸山隆志先生の代理で村垣善浩先生が発表)から、初発神経膠芽腫(Grade IV)に対し「手術+放射線治療+化学療法」後で、まだ再発していない24症例に自家がんワクチン療法を施行した後の(このような症例を再発した後に治療した症例と区別するため、"初回"治療例と定義していました)の長期成績が報告されま
した。
ご存知のように神経膠芽腫の予後は非常に悪く、手術で完全に取りきれることはないため、術後再発はほとんど必発です。現在の標準治療「手術+放射線治療+化学療法(テモダール)」でも、全生存率の中央値は14.6ヶ月にすぎません。
ところが、24例の全生存期間の中央値は22.5ヶ月という好成績でした。しかも2年以上の生存例が5例もあり、うち2例では全く再発が認められておりません。
やはり、自家がんワクチン療法は、術後早期に、"再発する前に"投与するのが最も効果的といえます。Grade IVの脳腫瘍に対しては、手術をされたら、ぜひ、全例に自家がんワクチン療法を施行できるよう、ご検討願います。
☆★☆ → 続きは、来週発信予定の
第7回がんワクチン療法研究会から--その2--
をご覧願います。








