ドクター通信

204 Dendreon社のDCワクチンSipuleucel-TがFDAで承認

06

May

 4月29日、Dendreon社のDCワクチンsipuleucel-T(商品名PROVENGE)が米国FDAで承認されました。

 Sipuleucel-Tは、前立腺がん患者でasymptomatic or minimally symptomatic metastatic, castrate-resistant (hormone-refractory) prostate cancer (CRPC)の患者から樹状細胞をとり、2日間の培養時に前立腺のacid phosphatase (PAP)抗原を添加し、患者自身に戻すというワクチンです。

 過去15年間に渡って開発してきた治療用がんワクチンが公式に承認されたのは初めてです。その詳細な最新のPhase III治験"IMPACT"の結果は、
http://phx.corporate-ir.net/External.File?item=UGFyZW50SUQ9Mjc5NDIxNnxDaGlsZElEPTM3MTk4OHxUeXBlPTI=&t=1
に掲載されています。

 全生存期間で見るとsipuleucel-T治療群(n=341)の中央値は25.8ヶ月、プラセボ群(n=171)の中央値は21.7ヶ月で、p = 0.017 (Cox model)となっています。

 しかし、早くもASCOからのニュース(5月4日)では、Patients' Provenge Expectations May Need Tempering, Physician Says.と過度の期待をすべきではないとの意見が出ています。中央値の延びがわずか4.1ヶ月の点を指摘されているわけですが、docetaxelに比べれば副作用がはるかに少ない点は、前向きに評価されています。

 この承認を契機に、今後は、がん免疫療法⇒がんワクチンががんの標準療法の一角にどんどん入り込んでくることと思いますが、Dendreon社はFDA承認獲得までPhase IIIの治験を3回も繰り返しています。はたしてこれほど巨大な治験を、日本ではできるでしょうか?