ドクター通信

205 米国がん学会(AACR)2010から -その2-

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May

 4月28日に発信しましたドクター通信 from セルメディシン No. 204「米国がん学会(AACR)2010から -その1-」の続きです。

 朝7時からあった教育講演の一つに、「Tumor Microenvironment in Cancer Progression and Metastasis」(Raghu Kalluri, Beth Israel Deaconess Med. Center)がありました。

 40歳以上の男女では、dormant primary tumorがよく見つかりますが、約35%で何らかのcarcinomaがあるといいます。ただしprogressiveではないのは何故か、という疑問から、「clinical carcinomaは、critical number of genetic defectのaccumulationが必要な上、それを支える血管のgrowth/inhibitionのバランスで決まる」という説を主張し、血管の外側に並んでいるpericyteを殺すと、tumor growthは減少するが転移は増加することを示していました。血管がleakyになっているため、しかも、がん化した細胞のEpitherial-Mesenchymal Transition (EMT)が増加することによるのだそうです。

 腫瘍血管をターゲットにした治療法にも限界があることがわかります。

 他に、目だった話題は、細胞性免疫反応の際のco-stimulatory/co-inhibitory moleculeの作用を修飾する方法についてでした。

 アゴニスチックに抗OX40 (CD134) 抗体とGM-CSF-secreting vaccineでT細胞を刺激する方法(滋賀大・村田ら)、抗CTLA-4抗体投与法(メラノーマでCR/PRが約12%出ているが、Grade 3/4の自己免疫疾患が発生)、そこで、抗PD-1抗体(MDX-1106, 小野薬品ONO-4538)をテスト、phase Iで39例中CR1, mixed response 2が出たという方法(Johns-Hopkins大。Topalianら)、抗CD137抗体(CD137は4-1BBのこと)を投与する方法(Dubrotら、Late Breaking Poster LB-196)など、抗CTLA-4抗体+抗PD-1
抗体の両方をがん細胞ワクチンと一緒に使っている例(Caiら、Dana-Farber Cancer Inst)など、多彩でした。

 今後、抗体を用いるco-stimulatory/co-inhibitory moleculeの作用修飾法は、がん免疫療法において一定の地位を占めてくると予想され、来年以降に登場する臨床データが注目されます。