ドクター通信
200 線維芽細胞をiPS細胞を経ずに直接神経細胞に転換--再生医療研究へのインパクト--
26
Feb
Nature最新号に、線維芽細胞をiPS細胞を経ずに直接神経細胞に転換できたという論文がでました(1)。
iPS細胞はES細胞と同様の全能の分化能を持ちますが、そこから特定の機能を持つ分化細胞を誘導培養するのは、煩雑な作業となります。個人個人に対応したiPS細胞の作製効率の問題もあり、拒絶反応のない最終分化細胞を大量に入手するのは、大きな問題でした。
今回のNautreの論文の他にも、ある最終分化細胞から直接別種の最終分化細胞を作製することは、可能になってはいますが、種類は限られていました(2)。
しかし、最も入手しやすい線維芽細胞から、最も入手しにくい神経細胞さえもできるようになったのならば、今後、樹状細胞、ヘルパーリンパ球、キラーリンパ球等の免疫系の細胞も、線維芽細胞から容易に作製できるようになってくると考えられます。
おそらく、がん免疫療法を含めた再生医療の世界も、iPS細胞登場以来の激変を、今後経験していくことになるでしょう。
REFERENCE
1. Thomas Vierbuchen,Austin Ostermeier, Zhiping P. Pang,Yuko Kokubu, Thomas C. Su¨dhof, Marius Wernig: Direct conversion of fibroblasts to functional neurons by defined factors. Nature 463|25 February 2010. doi:10.1038/nature08797.
2. Cory R. Nicholas and Arnold R. Kriegstein: Cell reprogramming gets direct. Nature 463|25 February, pp.1031-1032, 2010.











