ドクター通信
193 去年Immunityに書かれたMeliefの総説
14
Dec
毎年、師走も押し詰まってきますと、机の上に積もり積もった文献の整理をしようとされる方も多いのではないでしょうか。
かくいう筆者もその一人で、整理を始めたとたんに、書類の山に隠れていた総説(読んでいなかった)に釘付けになりました。
→ "Cancer Immunotherapy by Dendritic Cells"
Melief, C.J.M., Immunity 29:372-383, 2008.
樹状細胞(DC)療法、DCワクチン療法は、当初に期待されたほどのがん治療効果がない、なぜか、がこの総説論文のテーマです。
要点は、がんに集まるmyeloid-derived suppressor cells (MDSCs), tumor-associated macrophages (TAMs), immature dendritic cells (DCs)が邪魔する、その上、がん細胞は免疫を抑制するサイトカイン(TGFbetaとIL-10)を出す、がんを殺せるeffector cellsの誘導には、DCsを強烈に活性化しなければならない、それでも単独療法では成功しない、化学療法他の併用療法が必要だ、というものです。
これらのキーポイントは、今年4月のアメリカ癌学会(AACR)、5月のアメリカ臨床腫瘍学会(ASCO)で盛んに議論されていましたが、本邦ではまだそれほどの中心的な話題になっておらず、どちらかというとペプチドワクチンの話題に熱中しています。
Treg以外のがん免疫反応を抑制するネガティブな細胞群に注目した研究は、1年遅れでアメリカから波及してくるのではないかと想像しています。この調子で文献を読んでいたのでは、書類の山の整理は、どうやら越年しそうです。








