ドクター通信
186 ある種の樹状細胞はかえってがん抗原提示能力を阻害する
22
Jul
6月24-25日に小倉で開催されました第13回日本がん免疫学会で、九大から、マウスではある種の樹状細胞が、別の樹状細胞の抗原提示能力をかえって阻害するという発表がありました(1)。
抗がん剤シクロフォスファミドはリンパ球数を一過性に激減させることが知られていますが、樹状細胞(DC)にも影響します。
マウスの樹状細胞は、組織由来遊走型(m DCs)、リンパ組織在住型(rDCs)、プラズマ細胞様(pDCs)の3種類に分類されます。さらにこれらはそれぞれCD8+型とCD4+型に分類できます。
低用量のシクロフォスファミドは皮下のリンパ節や脾臓にあるCD8+型のrDCを選択的に殺しますが、皮膚由来のmDCへはあまり影響を与えません。このように相互のバランスが崩れた樹状細胞群は、抗原提示能力が増強されていましたが、この状態に体外からCD8+型 rDCを注入してやると、せっかく増強された抗原提示能力が阻害されてしまうとのことでした。
ヒトにおけるがんの樹状細胞ワクチン療法では、このような検討はまだされておりません。そのため現在は、マウスのCD8+型 rDCに対応する阻害型を含むヒト樹状細胞群を体外からがん患者さんに注入している可能性があります。今後、問題とされる可能性があります。
REFERENCES
1. 中原剛士、古江増隆(九大医学部)、Cyclophosphamide enhances immune response by modulating dendritic cell subset balance and dendritic cell functions. 第13回日本がん免疫学会、一般口演4-樹状細胞1、小倉、2009.06.24.








