ドクター通信

179 ソラフェニブの適用が肝がんに拡大

26

May

腫瘍細胞増殖と腫瘍血管新生の両者をターゲットとする分子標的薬ソラフェニブ(商品名ネクサバール)は、本邦では既に腎がんにたいして国の承認を得て市場化されていますが、この5月21日に肝細胞がんにも適用を拡大できるように、厚労省の認可を獲得しました。

弊社では、一般に分子標的薬はその高い特異的作用メカニズムから、理論上、自家がんワクチンと併用しても問題ないという方針をとってきております。今後、肝がん治療においても、ソラフェニブと自家がんワクチンの同時併用も臨床現場では起こり得るものと予想されます。

しかし、分子標的薬は、ときに強い副作用を表すことがあります。ソラフェニブにおいても、「急性肺障害、間質性肺炎があらわれることがあるので、呼吸困難、発熱、咳嗽等の臨床症状を十分に観察し、異常が認められた場合には速やかに胸部X線検査等を実施すること」
→ http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0508-4h.pdf
との注意喚起がなされています。

また、ネクサバール錠の副作用収集状況一覧(速報)も公開されています。
→ http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0508-4h.pdf

他の分子標的薬、例えば腎癌に使用されるスニチニブ(商品名スーテント)でも、「白血球減少(85.2%)、好中球減少(82.7%)、貧血(58.0%)があらわれることがある」との重大な副作用情報が添付文書にあり、上記の一般論が適用できない場合もあります。

これらの情報に十分注意の上、自家がんワクチンとの併用を行う際には、できれば、末梢血リンパ球数が1000ヶ/mm^3を割り込まないような分子標的薬の投与状況下で、併用をお願い申し上げます。