ドクター通信

169 非小細胞肺がん:先に化学療法、後からワクチンでも良い場合がある

23

Feb

非小細胞肺がんstage IIIBまたはIVで、ファーストラインの化療後になお残存する肺がんを追加化療でなんとかしようとしても、常識的には非常に困難とされています。更なる強力な化療にはかなりの危険が伴います。

そこで、キューバのグループは、このような化療後の進行肺がんで、未だ骨髄機能が残っている症例に、抗EGF抗体を誘導するワクチン投与を試みています(ワクチンの種類は自家がんワクチンとは異なる抗体誘導を目的としたものですが、免疫反応を惹起しようとする目的は同じです)。

抗EGF抗体が誘導され血中EGFが低下したグループでは、生存期間中央値が11.7ヶ月でした。誘導されにくかったグループ(3.7ヶ月)や対照群(5.3ヶ月)よりも予後がよい(p=0.0002)と報告しています(1)。

論文を見ると、実際には、ファーストラインの化療4週後に低用量のcyclophosphamide(200mg/m^2)を投与、一旦白血球数を急減させ、回復期に入る3日後からワクチンを毎週1回筋注、4週後からは月1回にして継続投与し、しかも遠隔転移巣がある場合には局所放射線治療を後から追加しています。

こうした細かい工夫を重ねることによって、化療だけでは治癒の見込みがない進行がんであっても、免疫療法でかなりの延命が期待できるとなれば、進行がんの「術後再発」例に対してもあきらめることはありません。

化療後の骨髄機能回復を待って「がんワクチン」を投与すれば、治癒に至らずとも無駄ではなく、それなりの延命効果は期待できると推定されます。

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REFERENCE

1. Vinageras EN, et al.: Phase II Randomized Controlled Trial of an Epidermal Growth Factor Vaccine in Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer. J Clin Oncol 26, 1452-1458, 2008.