ドクター通信

155 脳腫瘍の治療効果判定法への提言

11

Nov

 今週到着したNature Clinical Practice Oncologyに脳腫瘍の治療効果判定法について、新規提言が総説形式で掲載されています。
 → Sorensen AG, et al, Response criteria for glioma, Nat Clin Practice Oncol 5:634-644, 2008 (doi:10.1038/ncponc1204)

 固形がん治療の一般的効果判定法には、がん画像のクロスセクション計測(最長径と直交する径の積)によるWHO方式から、1方向計測(最長径を採用、各標的病変の最長径の和の変化で評価)によるRECIST法が普及してきており、学会の発表をみても、ほとんどがRECIST法によって定量的な評価がされています。

 → http://www.jcog.jp/doctor/tool/C_150_0010.pdf

 しかし、脳腫瘍では、初回術後の大きな空洞状態が簡単には埋まらず、空洞周囲にそって再発してきた脳腫瘍組織に治療後の変化が起こっても、見かけ上の最長径はほとんど変化を示さないことが多々あります。

 この最長径から空洞部分の長径を引き算して、実質的な再発脳腫瘍部分を表す長さを算出し、RECIST法を適用する方法もありますが、再発腫瘍組織の治療によって、不均一な減少を示す場合は長径だけでは比例的に表せない場合があり、RECIST法では適切な判定がなされないという問題がありました。

 これに対し今回の総説では、MRI画像から腫瘍ボリュームを算出し評価に用いることを推奨しています。また他のマーカーも併用することによって、評価精度を上げられるとしています。

 ちなみに、自家がんワクチンの効果を評価した共同臨床研究論文では、すでに独自に腫瘍ボリューム測定法を採用しており、論文に先んずるASCO2007における発表も好評でした。

 → Ishikawa E, Tsuboi K, Yamamoto T, Muroi A, Enomoto T, Takano S, Matsumura A, Ohno T, A clinical trial of autologous formalin-fixed tumor vaccine for glioblastoma multiforme patients. Cancer Sci., 98(8):1226-1233, 2007.

 →(ASCO2007で発表の「自家がんワクチンの効果」)
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