ドクター通信

143 腫瘍血管新生阻害による臨床効果を表すバイオマーカーがない

16

Jul

最近、分子標的薬で腫瘍血管新生阻害作用を示すものが相次いでFDAで承認されています。それらは、
  Bevacizumab (Avastin, target=VEGF)
  Sorafenib (Nexavar, target=VEGFRs, PDGFRa/b, c-KIT, FLT-3, Raf)
  Sunitinib (Sutent, target=VEGFRs, PDGFRb, c-KIT, FLT-3, c-RET)
  Temsirolimus (Torisel, mTOR)
の4種で、この他にも多数の候補物質が検討されています。
 これらは、たしかにprogression-free survival, overall survival, overall response rateをend pointにしたPhase III臨床試験で有効性が 証明されています。

 しかし、不思議なことに、これらの医薬品によって確かに腫瘍血管の機能が阻害されたことによる臨床効果であることを示す明瞭なバイオマーカーが示されていないのです。

 Antiangiogenic therapyと称しているものの本当にそうなのか、「血管新生阻害作用」とは、新薬発見のための単なる道具なのか、それとも新薬の単なるお飾り題目なのか、という皮肉たっぷりの表題がついた総説論文がNature Clin Practice Oncologyの今月号に出ています。

REFERENCE

1. Sessa C, Guibal A, DelConte G, Ruegg C: Biomarkers of angiogenesis for the development of antiangiogenc therapies in oncology: tools or decorations? Nature Clin Practice Oncol. 5, 378-391, 2008.