ドクター通信

138 米国臨床腫瘍学会(ASCO2008)から-2

13

Jun

 前回のドクター通信:(ASCO2008)から-1に引き続きお送りします。

1.教育講演「免疫治療臨床試験におけるデザインと規制について」から
  Educational Session:"Endopoints for immunotherapy studies:
  Design and regulatory implications"
 Bristol-Myers SquibbのA. Hoosは以下のように述べています。
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  免疫治療は化学療法とは異なる生物反応に基づく治療法であることか
ら、ワクチン治療反応を明確に反映する評価基準の確立が必要である。
  バイオマーカーとしては多様なT-cell反応性が候補であるが、未だ確
立されたものがなく、今後評価法の向上および汎化が必要である。抗腫
瘍活性評価については、これまでの化学療法とは違った反応パターン(一
旦増殖後縮小、新病変出現後縮小、長時間不変後縮小など)が予想され、
それに沿った免疫学的評価基準(Immune-related Response Criteria;
irRC)の設定が必要である。特に、生存曲線解析については、(化療剤の
ように治療開始直後から治療群と対照群の曲線が分かれるのではなく)
ある期間経過後に生存曲線が分かれ始めると予想されるため、これまで
と違った解析法が必要となる。
  ワクチンを開発する場合には、以上の観点を踏まえた新しい開発手法
の開拓が求められる。
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 また、National Cancer Instituteの J. Schlom は、
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  ワクチン治療と他の治療との差別化が必要であり、その差別化をどの
ように臨床試験に反映させるか、他療法との併用治療をどのように最適
化するかが重要であるとしています。
  特に、併用治療については事前の放射線化療は免疫機能に悪影響を及
ぼすという常識がありましたが、放射線化学療法や分子標的薬剤などに
よる治療は、その後のワクチン治療に良い併用効果をもたらすことがあ
ります。
  事例として前立腺癌においてPSAワクチン(PSA-TRICOM)後タキソテール
投与は、タキソテール単独より優位に全生存率(OS)が上回ることを報
告しています。
  この機作として、化療により癌細胞に変化が生じT細胞感受性が高まる、
癌細胞壊死により特異抗原が放出されブースター効果があらわれる、Treg
などの免疫抑制作用が除かれる、などが考えられているとのことです。
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 CBER/FDA のC. Witten は、米国の規制当局の立場から次のように講演していました。
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  ワクチンにはAntigen/adjuvant vaccine, Whole cell cancer vaccine,
Dendritic cell (DC) vaccine, Viral vector and DNA vaccine, およ
びIdiotype vaccineがあり、これらの癌ワクチン開発はCBER のOffice
of Cellular, Tissue, and Gene Therapyが管掌している。
  ワクチン製造に関する留意事項として、製造ロット間の純度同一性や
安定性、製剤中の全成分(細胞、アジュバントなど)の品質保証、最終製
剤の品質および無菌性、活性物質の本体及び活性があげられる。
  早期臨床試験では、化療剤でのMTD(最大耐量; Maximum tolerance dose)
的な用量は通常求め難いので、薬理学的有効用量あるいは生物学的最適
用量をそれに代える。
  Pivotalな臨床試験においては、化療剤の考えかたとの相違点として、
(根治手術後などの)残存癌が無い(少ない)患者が好対象、blind study
が望ましい、癌巣の縮小を伴わない抗腫瘍活性が見られる、効果発現ま
でに時間がかかることなどがあげられる。
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2.ASCO-ECCO合同シンポジウム:
"How can we overcome difficulties of
clinical vaccine development in oncology"から

 H Lee Moffitt Cancer Ceterの J. Weber は、
  求められるべき効果は、転移癌に対する有効性、ランダマイズド試験での生存期間延長、腫瘍特異免疫と臨床パラメーターとの相関などだが証明できるかが問題であると述べた上で、
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  これまでの臨床試験の結果では、ワクチンと特異免疫と無再発生存と
の間の相関は小さいものの、Stage4のメラノーマではDC誘導免疫とOSに
関連が見られた。
  今後の臨床試験においては、癌組織内のTregおよびEffector T/Treg比、
Myeloid suppressor cellの活性などが留意点として考えられる。
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と言っておりました。