ドクター通信

135 米国の脳腫瘍治療の現状:ケネディ上院議員の診断をきっかけに

26

May

 5月23日のASCO(アメリカ臨床腫瘍学会)を通じたロイター通信のニュースに、米国の脳腫瘍治療の現状が報道されています。

 これはEdward Kennedy上院議員(マサチュセッツ州)が、つい最近脳腫瘍と診断されたことをきっかけに議論されているものです。

 米国でも悪性神経膠芽腫(Grade IV)の標準治療法は、「手術+放射線治療(6週間、計60Gy)+temozolomide(商品名テモダール、通常6ヶ月以上)」となっています。これで初回手術後の生存期間は14.5ヶ月(中央値)ですが、temozolomideの効果が失われて増悪してくると、もはや打つ手がないとされています。

 まもなくFDAがbevacizumab(商品名アバスチン)を再発脳腫瘍に対して認可する見込みで、これによる更なる延命効果が期待されていますがそれほど大幅ではないとされています。また、手術時に埋め込むGliadel Wafer(Guilford Pharmaceuticals,Inc)もありますが、やはりそれほどの延命効果が期待できるわけではありません。

 その点は、ロイター通信で""There have been some advances in the treatment of this disease. I'm impatient for more. And I really feel that the advances we've had have been small, baby steps," Dr. Otis Brawley, chief medical officer of the American Cancer Society, said in a telephone interview on Wednesday."
と述べられていることから、容易に考えられると思います。

 新しい治療法として期待されているのが、数種の「がんワクチン」です。しかし米国ではまだ実験段階と認識されているため、全く普及はしていません。

 米国では脳腫瘍に毎年22,000人が罹患し13,000人が死亡するとされており、このような状況からすると、米国の脳腫瘍患者の現状はたいへん厳しいと思われます。

 しかし、わが国では、国の未承認医薬品も使用可能な自由診療制度があるため、弊社の「自家がんワクチン」が既に市場化されております。

 「自家がんワクチン」を組み入れた再発例を含む悪性神経膠芽腫12例の治療成績では、初回手術後の生存期間中央値が24ヶ月と長期化しています(Ref. 1)。うち、1例はCRとなり長期生存中です。

 詳しくは、こちらをご覧下さい。
  → http://www.cell-medicine.com/cases/clinicaltest_braintumor.html

REFERNCE

1.Ishikawa, Eiichi; Tsuboi, Koji; Yamamoto, Tetsuya; Muroi, Ai; Enomoto, Takao; Takano, Shingo; Matsumura, Akira; Ohno, Tadao: A clinical trial of autologous formalin-fixed tumor vaccine for glioblastoma multiforme patients. Cancer Sci., 98(8):1226-1233, 2007.