ドクター通信
113 HIV感染長期生存者ではガン発生頻度が異常に高い
06
Dec
(1) HIV感染長期生存者ではガン発生頻度が異常に高い
HIV感染を起こしても、retrovirusの増殖阻害剤を何種類か組み合わせて連続投与すれば、AIDSの発症を防ぐことができ、長期生存が可能となっていますが、ガン発生率からみれば、これはたいへん悩ましい問題となってきました。
今週到着のASCO Communicationsでは、ワシントンポストのコラム記事(December 4, 2007)が紹介されています。
"Living With HIV, Dying Of Cancer"と題されたこのコラムでは、HIV治療に使用されるanti-retroviral drugsを大量使用して長期生存しても、lymphomas, carcinomas and lung cancers等のガン発生率が高く、癌死の危険性があることを指摘しています。
特に、HIV感染歴が15年以上ある場合に集中的にガン発生率が異常に高くなる点に注意が必要とされています。
HIV感染ではCD4+ T細胞が選択的に殺されてしまいますが、anti-retroviral drugsによってそれを抑制できるとしても、完全ではなく、CD4+ T細胞の機能を高い状態で長期間維持するのは困難であることが予想されます。
また、HIVは活性化したナチュラルキラー細胞にも感染し、自然免疫系も破壊できることが知られていますので(Ref. 1)、anti-retroviral drugsを使っていても、潜在的HIVにより活性化NK細胞の活性も抑制され、全体としてimmunosurveilance機能が抑制されてし
まう状態が続くと考えられます。
REFERNCE
1.Hideki Harada, Yumi Goto, Tadao Ohno, Shinya Suzu, and Seiji Okada: Proliferative activation up-regulates expression of CD4 and HIV-1 co-receptors on NK cells and induces their infection with HIV-1. Eur. J. Immunol., 37, 2184-2155, 2007.








