ドクター通信
086 がん組織 ="均一な細胞集団"から"複雑な組織"へ--がん組織の見方に対するパラダイムシフトが進んでいます--
27
Mar
On lineで発行されている無料科学雑誌「BTJジャーナル」の今月号(1)の冒頭に、
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これまでがんは、正常細胞の染色体に変異が入ることで発生したがん細胞が増殖して形成されると考えられてきた。しかし近年、がんはがん細胞を血管や間質といった周辺環境が支えている複雑な組織であるという認識が広がってきた。さらに、がん細胞の中にはがんの発生や再発の原因となるがん幹細胞という親玉が存在する可能性が高まっている。がんのパラダイムシフトが進み、これからのがん研究は大きく変わることになるだろう。
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との要旨がある特集記事(リーダーインタビュー)が載っています。
しかも、「「その結果、これからのがん治療には、分子標的治療薬のように均一ながん細胞の集まりを狙うのではなく、がん幹細胞や周辺の環境を含めた組織全体を俯瞰して、狙うべき標的を探すことが求められるようになるだろう。」」との記者意見が付されています。
「自家がんワクチン療法」では、このような考え方は、すでに2001年の当社設立以来採用されています。"がん細胞集団は均一ではない、だからこそがん抗原も単純な均一物とは考えられない、がん組織全体に含まれる複雑ながん抗原全てを標的にすべきである"と考え、ホルマリン固定した「「がん組織そのもの」」を細胞性免疫反応の抗原として利用してきたものです。
というわけで当初から"がん幹細胞や周辺の環境を含めた"組織全体を意図的に狙っていたわけではありませんが、「「がん組織そのもの」」の中には、当然ながらがん組織中の腫瘍血管、線維芽細胞を含めた周辺組織や潜在がん幹細胞も入っていて、それら由来の(通常の正常組織にはないがゆえに「癌拒絶抗原」として標的にできる)抗原も含まれているのです(2)。
はからずも、最先端の学術的概念が到達した現時点に、7年も前から実際に臨床上で取り組んでいたというわけです。がん免疫療法の上では、単一抗原を用いるよりも、全ての抗原候補を含む「「がん組織そのもの」」を用いる自家がんワクチン療法は、理論的にも有利な立場になっています。
REFERENCE
1.「BTJジャーナル」2007.3, pp.1-1. リーダーインタビュー。
以下のサイトで無料ダウンロードできます。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
2.「がん細胞本体の脇を攻める」、ドクター通信 from セルメディシン No. 55、2006.07.19発信











