ドクター通信

080 「自家がんワクチン療法」受診460例の分析結果がでました

09

Feb

前のドクター通信 from セルメディシン No. 79で、本邦における「自家がんワクチン療法」受診症例が累積500例に達しましたとお知らせしましたが、この程、そのうちの460例について、ソフトクライテリアの観点からの分析結果がでました。

 ソフトクライテリアは、学術的にみて厳密な評価基準(ハードクライテリア)とは異なるもので、ややあいまいな評価基準である「残存腫瘍サイズ縮小、腫瘍マーカー減少、推定余命より2倍以上の延命、QOL(KPS評価)の明らかな改善、長期不変・無再発 (ワクチン投与後1年以上無再発あるいは無増悪)」を集め新たに定義したものです(1)。

 この観点からみた従来の分析結果(経過報告があった症例中36%でなんらかの改善効果が見られる)は既に弊社ホームページに掲載しておりましたが、今回の結果も、評価可能であった174例中、35%で何らかの改善効果が観察されました(2)。

 やや残念であったのは、転帰不明例が92例あったことです。この中には転院・死亡により連絡不能となった例、あるいは軽快・無再発で来院不要となったため連絡未遂の例も含まれています。仮にこれを全員無効だったとした場合でも、174例中、23%で改善効果が得られた結果となっています。

 がん免疫療法はどれでも、副作用の強い化学療法に比べれば、高いQOLを確保できる点だけでも評価できますが、上記の結果は、それ以上に大きな希望を抱かせるものです。

 それぞれの癌種ごとの簡易な症例報告も多数充実させました。大腸癌、脳腫瘍、乳癌、肺癌、肝癌、胃癌については専用ページを設置し、症例をできるだけ多く記載しました。

 特に、脳腫瘍では、難治性で治療に難渋するの多型膠芽腫(GBM、グレードIV)の占める割合が大きいにも関わらず、評価済みの37例中15例(41%)で改善効果が観察され、この中には完全寛解(CR)が2例も含まれているという好成績を示しております。

 また、乳癌では5例の報告を記載しておりますが、中には、骨盤転移による激しい痛みにより歩行不能となったため、自家がんワクチン接種と仙尾骨照射後に緩和ケア病棟(ホスピス)に入院、4ヶ月後緩和ケア病棟から自力歩行により退院、通常生活に戻り、主治医を驚愕させた例も報告されております。

 卵巣癌で腹水中に明細胞癌があり、死亡の危険が2~3ヶ月で起こる可能性大との主治医診断があるにもかかわらず、自家がんワクチン接種後、19ヶ月経過するも生存中の症例や、また、中皮腫で、自家がんワクチン接種に胸壁癌瘤の縮小(触診)、胸壁痛減少例もあります。


 これらの結果は、「自家がんワクチン療法」の大きな可能性を示すものであり、しっかりしたハードクライテリアレベルのランダマイズドスタディの学術論文がある肝癌(3)以外では症例報告レベルながら、十分患者様にアピールできるものと思いますので、どうか、下記(2)のホームページを、患者候補の方々にご案内いただければ幸いです。

 どうかよろしくお願い申し上げます。


REFERENCES
1. ハードクライテリア、ソフトクライテリアとは?
     → http://www.cell-medicine.com/glossary/ha.php
2. がん種ごとの治療実績と症例
     → http://www.cell-medicine.com/cases/index.html
3. 肝癌:ハードクライテリアレベルのランダマイズドスタディの結果
     → http://www.cell-medicine.com/cases/clinicaltest_hepatocellular.html