ドクター通信
065 ホルマリン固定、がん患者への情報発信、制御性T細胞浸潤、ラクトフェリンの効果 -日本癌学会の話題から-
11
Oct
第65回日本癌学会学術総会が横浜で開催されましたが、その中から当社の製造スペシャリストが集めた4つの話題です。
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L2 ランチョンセミナー:パラフィン包埋標本を用いたがん研究 谷田部恭(愛知がんセ)
一般的な病院の固定は10%ホルマリンで1週間。固定は1時間に1mmずつ浸透していくので大きい場合は1日ホルマリンに漬けて翌日小さく刻んで再固定すれば2日で十分。固定時間が1ヶ月とか長くなると固定が進み、PCRなどもできなくなる。→ 過固定
(注:ホルマリンにより、DNAへのクロスリンクが入るとPCRも不可能となりますが、がん抗原タンパク中にクロスリンクが入っても、がんペプチド抗原はアミノ酸残基数がわずか8-10個ですので、ホルマリンによる破壊から逃れられるものが多数あります。過固定された組織でも十分がん抗原ペプチドのソースになり、自家がんワクチン作成に使用できます。)
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S8-6 がん患者への情報発信 高山智子(国立がんセンター)
氾濫するがん情報を、有益な情報として的確に伝えるためにはどうするか?アメリカではNCIのCISでの電話相談がある。出遅れながら日本でも国立がんセンターがん対策情報センター(http://ganjoho.ncc.go.jp/)を設置。10/2より相談支援センター設置。
医師以外からの役立った情報媒体(n=124)
・ 雑誌、新聞など81.5%
・ 患者会や相談窓口など51.6%
・ インターネット38.7%
・ 家族や友人31.5%
(注:さまざまなアクセスポイントがあることが重要で、ネット関連のツールがあってもまだ旧来の雑誌、電話などのツールが必要です。)
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O-363 膵多段階発がん過程ならびに膵がん進行過程におけるFOXP3+制御性T細胞浸潤の変化 平岡 伸介1、小菅 智男2、廣橋 説雄1(1国立がんセンター・研究所・病理部、2国立がんセンター・中央病院・肝胆膵外科)
卵巣がんでは、抑制性T細胞(Treg:FOXP3とCD4分子を発現)浸潤と臨床効果は相関するが、直腸がん・頭頚部がんでは相関しないとの報告がある。では、膵がん(浸潤性膵管がん)ではどうか?
→ 分化度が低い症例では、FOXP3/CD4値が高い。
→ FOXP3/CD4高値群は、低値群に比べて生存率が低い(p=0.001)
(注:単純にT細胞をin vitroで大量増殖させ、in vivoに戻した場合、Tregも大量に戻している可能性があります。この場合、がん治療よりは増悪に貢献しかねません。)
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O-779 ラクトフェリンによる大腸腺腫進展抑制効果の検討 神津隆弘(国立がんセンター)
大腸に腺腫(5mm以下)のある患者(40-75歳)を対象に、ラクトフェリン(LF) 3.0g、1.5g、プラセボの3群で無作為試験を実施。期間は1年間、108例。LF 3.0g群はプラセボ群に比べ腺腫の縮小傾向が認められた。なお、若年者、女性の方がその効果が高い(63歳以下の女性)。また、ヒトLF濃度の上昇、NK活性上昇が認められた。








