ドクター通信

062 自家がんワクチン療法後の免疫反応テストの結果のまとめ

20

Sep

 自家がんワクチン療法では、必ずワクチン接種の前後に、固定自家がん組織自体に対する免疫反応(DTH-2反応 = 遅延型アレルギー反応)の有無を検査しております。

 遅延型アレルギー反応が陽転するということは、結核菌に感染したことがあるかどうかを調べるツベルクリン反応の場合と同じく、体内でがん組織に対する細胞性免疫反応が成立した(がん組織を攻撃できるリンパ球群が活性化した)ことを示唆しています。

 各がん種ごとにある程度以上の症例数がありませんと、このDTH-2反応の陽転率に関する議論は難しいところがありますが、この程、ようやく一部のがん種、および全体の検査結果がまとまりました。

 → http://www.cell-medicine.com/をご覧下さい。

 2006.8.2現在で、乳癌では66%、大腸癌では85%、脳腫瘍では33%、肝および肝内胆管癌では74%、気管支および肺癌では52%、胃癌では50%となっております。

 その他のがん種では調査済み症例数が少なく、明瞭ではありませんが、がん種全体では60%の症例で陽転しております。

 DTH-2反応が陽転すれば臨床上の効果が出てくる期待度は高まります。しかし、それがそのまま、自家がんワクチンによる"治療効果が出る"という結果につながるとは限りません。

 体内で活性化したキラーリンパ球(特に細胞傷害性Tリンパ球 = CTL)が、残存しているがん細胞群全体よりも早いスピードで増殖し、猛スピードでがん細胞を殺していかないと、画像上では残存がん組織が小さくなるという治療効果が現れません。

 治療効果が現れるまで、3ヶ月以上かかることもまれではありません。その間、がん細胞群の増え方が遅いため症状が急速に悪化することはないだろうという見通しがあることが、自家がんワクチン療法開始のキーポイントになります。