ドクター通信

054 第42回日本肝癌研究会に参加して

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Jul

日本肝癌研究会は日本における肝癌治療ガイドを2005年に発行しているなどの伝統ある研究会です。肝癌治療にあたる外科/内科医師の切磋琢磨の場になっています。

 先週7月6-7日、東京ドームホテルで開催されました標記の研究会に参加、最新の肝癌治療状況について勉強してきましたが、参加してみて痛感したのは、肝癌治療の現状が圧倒的に物理的な検査法・治療法に傾いており、抗がん剤療法でさえ入り込める隙間がごくわずか、まして免疫療法などほとんど無視されている状態だったことです。

 特に現在は、小型肝癌治療の主流は、外科手術から内科・放射線科によるラジオ波焼灼法(RFA)に移行しつつあります。従来は第1選択とされていた手術に比べ、RFAとどちらが優れているかランダマイズドスタディが必要だという議論が真剣になされていた程です。

 標準的方法はガイドラインが発行されているにもかかわらず、未定の部分が非常に多いという印象でした。

 ごく一般的には、手術可能な肝癌なら手術、ある程度以上の大きさで手術不能な状態なら血管塞栓療法(TAE)、3cm以下が3個以下ならRFAか経皮的アルコール注入(PEIT)、癌の門脈浸潤があり癌で脈管が詰っている程の進行した状況なら化療併用下で多門放射線(LINACによるX線)か動態追跡照射、費用が天井知らずでもよければ陽子線・炭素線治療、癌が肝臓内に散在しているか他臓器転移なら抗がん剤、という状況でした。

 このように、肝癌の治療法では、物理的ないろいろな治療法があり、症例を選び、それらを組み合わせていけば、5年生存率がはるかに向上する(例えばRFA対象症例だけなら70.9%%にもなる)といいます。通常の手術では50%以下ですから、対象症例の選別効果が大きいと思います。

 しかし、RFA後の肝内(同一局所・異所も含め)再発率は2年で約40%、3年で約50%もあり、TAE後に多発再発した場合の生存率は1-2年程度という、対象症例・治療法により大きな格差がある領域です。

 再発抑制が極めて重要な課題であるにもかかわらず、治癒的切除後のUFT追加投与による再発抑制試験では、効果はありませんでした。今後、術後再発抑制効果を狙う領域で、「自家がんワクチン」では有意な抑制効果が認められていたように、免疫療法が入り込める隙間が必ずあると考えられます。