ドクター通信
047 (1)ジルコニウム(Zr-89)標識抗体によるイムノPET (2)緑茶カテキンに心疾患のリスク軽減効果はないとFDAが公式見解--健康食品の効能に厳しい見方--
16
May
(1) 先に開催されたアメリカ癌学会(AACR)でも盛況だったように、現在、抗体医薬の臨床応用が加速的に進められています。抗体は以前から様々な検査に使用されていたものなので、決して革新的な発見があったわけではないのですが、特異抗体を用いた興味深いPET技術がBorjesson らによって報告されました(1, 2)。
CD44v6抗原は、96%以上のhead and neck squamous cell carcinoma (HNSCC)症例で発現が見られますが(3)、その抗体U36をラベルし使用すれば、がん転移の診断と治療が同時にできる可能性があります。
今回の報告では、半減期が78.4時間あるジルコニウム(Zr)89でこの抗体を標識することにより、がん細胞に特異的に蓄積した抗体をPET画像上で検出、CT/MRIに比べて遜色ない検出精度を得ております。また、6例ではFDG-PETも行っており、それに比べるとsensitivityで62%から85%に、accuracyで88%から95%に改善すると述べております。
この結果は、がん画像診断において、がん特異的な局在性、蓄積量の定量化による最適濃度の調製等、個々人にあわせた最適な投与を可能にし、様々な抗体医薬の効果を予想できる技術に発展するかもしれません。
References:
1. Borjesson PKE, et al., Performance of immuno?positron emission tomography with Zirconium-89-labeled chimeric monoclonal antibody U36 in the detection of lymph node metastases in head and neck cancer patients. Clin Cancer Res 12: 2133-2140, 2006.
2. Zalutsky MR, Potential of immuno?positron emission tomography for tumor imaging and immunotherapy planning. Clin Cancer Res 2006 12: 1958-1960.
3. De Bree, R., et al., Clinical screening of monoclonal antibodies 323/A3 (K931), cSF-25 (K984), and K928 for suitability of targeting tumors in the upper-aerodigestive and respiratory tract. Nucl Med Commun 15: 613-627, 1994.
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(2) 前回のドクター通信 from セルメディシンNo. 46では、アガリクス、プロポリス、AHCC、サメ軟骨、メシマコブががんに効くという確かな証拠はないというニュースにコメントしましたが、再び、健康食品の効能に厳しい見方がFDAから出されています。
伊藤園が申請していた「緑茶カテキンが心疾患のリスクを軽減する」という点について、FDAは否定的な公式見解を出しました。
健康食品の効能をうたうのはますます厳しい状況になってきたと考えられます。特にがん関係では、少なくともしっかりした学術論文を効能発表の基盤とする必要性がありますが、健康食品に関する学術論文は、まだまだ頼りないのが実情です。








