ドクター通信

020 遊離がん細胞による転移抑制には免疫系の能力が重要

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Oct

第43回日本癌治療学会が10月25-27日、名古屋で開催されました。その詳しい報告は別にして、その中から話題を一つ、お届けします。

 シンポジウム15 遊離癌細胞と微小転移・基礎と臨床 

 リンパ節微小転移ヌードマウスモデルを作成した実験で、原発皮下腫瘍を移植後、途中摘出したところ、200ミクロン以下のリンパ節微小遊離がん細胞巣(ITC)ではそれ以上発育せず、消失が認められました。ITCレベルを超えた微小転移は発育することを確認しております。

 しかし、抗asialoGM1抗体でマウスからナチュラルキラー細胞を除去したところ、200ミクロン以下のリンパ節遊離がん細胞巣も消失せずに発育し、リンパ節転移が成立したという報告がありました(S15-8 名大病態制御外科・横山裕之)。

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 以前から、腹腔内転移を成立させるためには、単一がん細胞で移植転移が成立するのは例外的で、10^5個以上のがん細胞注入が必要である場合がほとんどであることが広く知られておりましたが、遊離がん細胞はキラー細胞により好んで殺されてしまうということが、がん組織の所属リンパ節でも証明されたわけです。

 ということは、がん細胞が大きな腫瘍塊に育つ前(いわゆるmicrometastasis状態)ならば、細胞性免疫系を活性化してやれば治療効果を期待できる、と考えられます。

 がん術後で再発していたとしても、大きな腫瘍塊を摘出し(あるいは放射線などの物理的治療法で排除し)、残った微小転移巣を「自家がんワクチン」療法により細胞性免疫系を活性化して治療する、という方法は理にかなっています。