ドクター通信
011 再燃前立腺癌にも、抗がん剤無用で、対抗可能
05
Sep
先週のアメリカ癌学会通信では、前立腺癌に対抗するためビタミンD誘導体と非ステロイド性抗炎症剤を使ってprostaglandin合成を阻害し前立腺癌細胞の増殖を抑え込む方法(Moreno J, et al., Cancer Res. 65: 7917-7925, 2005)がトップニュースになっておりました。まだin vitro実験レベルでもこの扱いです。いかに「抗癌剤からの脱却」が現在の世界の最先端問題と考えられているか、感じていただけますでしょうか。
一方、抗がん剤無用で、ホルモン抵抗性前立腺癌に臨床で有効な方法が最近報告されました。しかもランダム化試験でエビデンスレベルが高いものです。
→ Arlen PM, et al., Antiandrogen, vaccine and combination therapy in patients with nonmetastatic hormone refractory prostate cancer. J. Urol. 174: 539-546, 2005.
抗男性ホルモン剤nilutamideを投与してPSA増加速度を減少させたものの、PSA増加自体は続いた症例に、PSAとB7.1の遺伝子を組みこんだvaccinia virusを初期ワクチンとしavipox-PSAをブースターワクチンとして投与すると、PSA上昇抑制期間が13.9ヶ月になり、nilutamideとワクチン投与をこの逆順にした併用群が5.2ヶ月であったのに比べ、明らかにPSA上昇抑制期間が延びています。
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→→→ この論文の結果から推定できるのは、前立腺癌では、ホルモン療法とワクチン療法を同時併用すれば(特にホルモン抵抗性になり再燃してしまう前から)PSA上昇を長く抑制できること、また、再燃したからといって安易に化学療法に進むべきではないということです。
ならば、遺伝子組み換えウイルスを無理に作製して、治療手続きがたいへん面倒な遺伝子治療ワクチンとしなくても、前立腺癌の術後なら、極めて簡単に「自家がんワクチン」が抗男性ホルモン剤と同時併用できます。
思い切って前立腺癌の患者様に勧めてみませんか。「自家がんワクチン」は副作用がなくほとんど無害であるという安心感がありますから。








