ドクター通信
010 髄芽腫という難治がんは本当に術後化学療法だけでいいのか?
31
Aug
髄芽腫medulloblastoma(classicとdesmoplasticがある)は幼児の小脳に発生する珍しいがんです。予後不良で、手術と全脳放射線治療が基本ですが、白質脳症という知能低下をともなう副作用が発生するため、化学療法を補助療法とする副作用軽減策が検討されています。
これに対し、Rutkowskiらが3才以下の乳幼児で、放射線照射を行わず術後化療のみで好成績を収めたことが大きな話題になっておりました。
しかし、この成績に対する批判的コメントが最新のNat. Clin. Pract. Oncol. 2(8):386-387, 2005に掲載されました。Rutkowskiらの試験対象になった子供で、予後が相対的には良い方であるといわれるdesmoplasticが約半数を占めている、追試による確認と、別の化療の検討が必要、というものです。
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→→→ この批判的コメントを読んで、毒性がない別の化療がある場合ならばともかくとして、斯界の一般的な意見である「さらに強い化学療法」を行うことが果たして患児にとって良いことかどうか、疑問に感じたのは筆者だけでしょうか。「さらに強い化学療法」は、その毒性により子供の成長を明瞭に阻害する危険性が高くなります。しかも「さらに強い化学療法」には"有効性"というエビデンスはまだありません。
エビデンスがないならば、原理的に全く作用機構が異なり副作用のほとんどない免疫療法を検討すべき時代に入っているのではないかと思います。








