ドクター通信
004 石綿に起因する悪性胸膜中皮腫治療のために
21
Jul
現在、マスコミで石綿被害が大きな話題になっておりますが、石綿の怖いところは何十年もたってから発症する中皮腫で、今後も増加すると予測されております。とくに、びまん性に胸膜に広がった悪性胸膜中皮腫では、局所の疼痛や胸水貯留によるQOLの低下が治療上の大きな問題となっています。
このような、悪性胸膜中皮腫の標準的治療法は確立されておらず、通常は手術・放射線・化学療法という経過をたどりますが、一般には、化学療法が効きにくいガンである、とされています。
文京クリニックではすでに、化学療法(ジェムシタビン、MTX、CPT-11を使用) 後に胸水増量は一時抑制できたものの胸壁浸潤が出現した症例(KPS 60%)に対し「自家がんワクチン療法」を施行しております。治療前後の触診・視診で、やや縮小したのではないかと見られる例が出ています(中皮腫の経験は未だこの1例しかありません)。未だ定量性が不十分な判定で、胸水抑制効果は認められませんでしたが、中皮腫の症状として頻度の高い疼痛は軽減し、患者には好評を得ています。
もし、先生ご存知の呼吸器系の先生で(例えば全国に30ある労災病院等の)、中皮腫治療について苦慮されている場合は、「自家がんワクチン療法」も術後補助療法の選択肢の一つになり得ることを情報として流していただければたいへん有難く存じます。








