ドクター通信

003 Nature Clinical Practice-Oncologyの話題から

20

Jul

ご存知の先生方も多いと思いますが、Nature誌はClinical Practiceという臨床医向けの原著論文ダイジェスト版を記載した季刊誌シリーズを発行しており、その一つ、Oncologyの最新刊が到着しました。その中の話題をご紹介します。

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VIEWPOINT:
D. N. Sauder, The emerging role of immunotherapy in the treatment of non-melanoma skin cancers, Nature Clinical Practice-Oncology, 2:326-327, 2005.


太陽光中のUV過剰被爆で発症すると考えられている皮膚癌は米国で2004年度で130万人が罹患したと推定されておりますが、そのうち、basal cell carcinoma (BCC)が主たるものです。

これには、imidazoquinoline類(例えば、Imiquimod)のクリーム剤を癌局所に塗ると良く効きます。これが自然免疫系と獲得免疫系の両者を活性化することがわかってきました。

Imiquimodはtoll-like receptor7に結合し、細胞内でNFκB経路を刺激します。するとその下流にある炎症性サイトカイン類(TNFa, IFNa, IL-1, IL-6, IL-12)が一斉に合成され分泌されます。一方、IL-2, IFNgの合成分泌も刺激するため、Th1系統が活性化し獲得免疫系も動員されます。しかも、Langerhans細胞の抗原提示能も亢進、並行してがん細胞のapoptosisも起こすという活躍ぶりを示します。

Imiquimodは、2004年にFDAからactinic keratosesに対して承認が出されておりますが、オフラベルでsquamous cell carcinomaにも使われ、大成功を納めました。2004年後半にはBCCにも適用承認が出されております。

ただし注意すべきなのは、5-10年のフォローアップデータが不十分であるため、SCCでは手術による摘出がまだ標準治療になっている点です。

今後、この種のimmune response modifiersが続々登場し、標準治療に組みこまれていくものと思われます。

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PRACTICE POINT:
Does neoadjuvant versus adjuvant systemic treatment improve outcomes in breast cancer? Nature Clinical Practice-Oncology, 2:342-343, 2005.

(Original Articel: Mauri D et al., J. Natl. Cancer Invest. 97: 188-194. 2005)


乳房温存のため、乳癌の術前に行う抗癌剤治療・neoadjuvant therapyには意味があるか? メタアナリシスの結果、局所再発のリスクはむしろ高く(P=0.015)、全生存率、転移率、進行度では通常のadjuvant治療に比べて有意差がない、という結論です。

術前に抗癌剤を処方して乳癌を小さくし、それから手術を行うというのは再考が必要です。