がん種別の症例

その他のがん

2009年11月末時点までに自家がんワクチン療法を受診された原発不明のがんを含む少数割合のがん症例のうち、経過報告があった症例についてソフトクライテリアの観点から評価した治療成績を以下の表とその下の代表的症例にまとめました。

評価済み症例で、臨床的に見てなんらかの改善効果(改善例 + 1年以上の長期不変・長期無増悪例)が見出されております。ソフトクライテリアは、学術的にみて厳密な評価基準(ハードクライテリア)とは異なるものですが、参考にしていただければ幸いです。

下表の改善率-1の定義は → こちらです

がん種 全症例数 評価済み症例数 改善例数 無効例数 改善率1 転帰不明追跡不能 改善率2 経過観察中 投与中止
改善 長期不変・無増悪 (1年以上) 無増悪 (6ヶ月以上1年未満) 無効 改善例数/(改善例数+無効例数) 転帰不明も 無効とした場合
副鼻腔 2 2 0 0 0 1 0.0% 0 0.0% 0 1
口腔 8 7 1 2 0 1 75.0% 2 50.0% 1 0
耳下腺 4 2 0 0 1 0 0.0% 0 0.0% 1 0
唾液腺 1 1 0 0 0 1 0.0% 0 0.0% 0 0
甲状腺 9 8 2 2 0 2 66.7% 1 57.1% 0 1
髄膜 4 3 0 1 0 0 100 % 2 33.3% 0 0
喉頭 1 1 0 1 0 0 100 % 0 100 % 0 0
咽頭 9 6 1 1 0 0 100 % 3 40.0% 0 1
食道 9 7 0 1 1 1 33.3% 0 33.3% 2 2
胸腺 1 1 0 0 0 0 0.0% 0 0.0% 1 0
リンパ腫 2 2 0 0 0 1 0.0% 1 0.0% 0 0
胆管・胆嚢 21 20 3 1 1 7 33.3% 4 25.0% 2 2
骨肉腫 7 6 0 0 0 0 0.0% 2 0.0% 3 1
軟部肉腫 14 10 1 0 0 3 25.0% 3 14.3% 1 2
皮膚 19 16 1 0 3 5 11.1% 3 8.3% 2 2
中皮腫 3 3 1 0 0 0 100 % 0 100 % 1 1
神経芽細胞腫 2 1 0 0 0 0 0.0% 1 0.0% 0 0
小腸 5 4 0 0 0 3 0.0% 1 0.0% 0 0
腹膜 3 2 0 0 1 1 0.0% 0 0.0% 0 0
盲腸 3 2 0 0 0 0 0.0% 1 0.0% 1 0
卵管 2 2 0 1 0 1 50.0% 0 50.0% 0 0
精巣 2 2 0 0 0 1 0.0% 0 0.0% 0 1
前立腺 4 4 0 2 1 0 66.7% 0 66.7% 0 1
尿管 6 5 0 0 0 4 0.0% 0 0.0% 0 1
膀胱 5 5 1 0 0 2 33.3% 2 20.0% 0 0
陰茎 1 1 0 0 0 0 0.0% 1 0.0% 0 0
外陰 1 1 0 0 0 0 0.0% 0 0.0% 0 1
重複がん 9 6 1 1 0 3 40.0% 0 40.0% 1 0
原発不明 4 3 1 1 0 1 66.7% 0 66.7% 0 0
その他 2 0 0 0 0 0 0.0% 0 0.0% 0 0
注1)
評価済み症例数の計には投与中止例が含まれている
注2)
残存腫瘍サイズ縮小、腫瘍マーカー減少、推定余命より2倍以上の延命、QOL(KPS評価)の明らかな改善等の数値化できる指標のいずれか、または、
主治医の評価による何らかの臨床上の好ましい反応があった症例
注3)
長期不変・無増悪(ワクチン投与後1年以上無再発あるいは無増悪)
注4)
(評価済み症例数から、転帰不明追跡不能例、投与中止例を除いた数を分母にとったとき)
改善率1=改善例数/(改善例数+無効例数)
注5)
(転帰不明追跡不能を全例無効と仮定した場合)
改善率2=改善例数/(改善例数+無効例数+転帰不明追跡不能)
注6)
ワクチン投与後1年未満
注7)
悪化、死亡などによる未投与・投与未了例(評価済み症例の一部に含まれている)

代表的症例

口腔がん(舌がん)

〔症例0422〕 (久保島クリニック)
リンパ節転移、舌再発あるも、自家がんワクチン接種(2006.09)後、1年5ヶ月経過時点で健在。

甲状腺がん

〔症例0090〕 (文京クリニック)
リンパ球療法を施行していたが効果が見られなかったため、自家がんワクチン療法を併用。CT上では腫瘍の縮小は見られないものの、両側胸水が消え、カニューレ交換時に見えていたがん組織がなくなったとのこと。しかし、突然出血死。もともとがん組織が頚部の大血管を巻き込んでいたため、がん進行によるものか、免疫療法によるものかは不明。

〔症例0115〕 (尾道総合病院)
自家がんワクチン接種(2004.07)後、1年経過時、不変。 

喉頭がん

〔症例0161〕 (石橋総合病院)
肺転移あり。PET-CT上、肺転移巣消失。

胆管がん

〔症例0178〕 (尾道総合病院)
胸壁に転移あり。04年12月脳転移も判明。ワクチン投与、γナイフ併用し、05年2月頭部CT上、脳転移巣が縮小。KPS70%、CA19-9値正常化、QOL大幅改善、独り暮らし可能に。

皮膚がん(メラノーマ)

〔症例0117〕 (文京クリニック)
脳転移、皮膚転移が40箇所以上あるも、自家がんワクチン接種後1年間生存(ワクチン後にNK療法を追加。最終的には脳内出血で死亡)。

中皮腫

〔症例0079〕 (文京クリニック)
心臓、縦隔および胸膜に中皮腫。副作用のため抗癌剤(MTX、CPT-11、ナベルビン)中止。その後、自家がんワクチン接種、胸壁癌瘤の縮小(触診)、胸壁痛減少。

前立腺がん

〔症例0249〕 (高村泌尿器科麻酔科医院)
治療前PSA値8.0、自家がんワクチン接種後1ヶ月4.9~3.8。5ヵ月後に炎症により一過性に6.1まで上昇するも、6ヵ月後4.1、8ヵ月後3.6、9ヵ月後3.3。1年5ヶ月経過時も正常値。

軟部肉腫(組織球腫)

〔症例0374〕 (つくばセントラル病院)
Malignant fibrous histiocytoma(MFH);繊維性組織球腫。80%の症例で肺転移が起こり、術後再発した場合の生命予後は不良。この症例は、初回手術後3ヶ月で局所再発し5cm以上に腫大していたという悪性度が高いと推定される例だが、「再発局所切除+76Gyの放射線照射+自家がんワクチン」(化学療法はせず)で4年以上無再々発・無転移。なお、2007.11におこなったDTH反応テストでは擬陽性。2010.04のDTH反応テストでは陽性となっていた。
 足1本、切断せずに助かった症例。
 第72回日本臨床外科学会で発表、2010.11.22、横浜。
 スライドは → こちらです
 論文は、こちらです → http://www.wjso.com/content/pdf/1477-7819-9-96.pdf

原発不明がん

〔症例0128〕 (すばるクリニック)
 右頸部リンパ節転移巣を摘出、04年7月自家がんワクチン調製、接種。その前には中咽頭右側にPET診断でhot spotがあった。10年6月現在再発なし。