がん種別の症例

胃がん

2009年11月末時点までに自家がんワクチン療法を受診された胃がん症例のうち、経過報告があった症例についてソフトクライテリアの観点から評価した治療成績を以下の表とその下の代表的症例にまとめました。

評価済み症例のうちの改善例・無効例中38.2%で、臨床的に見てなんらかの改善効果(改善例 + 1年以上の長期不変・長期無増悪例)が見出されております。ソフトクライテリアは、学術的にみて厳密な評価基準(ハードクライテリア)とは異なるものですが、参考にしていただければ幸いです。

下表の改善率-1の定義は → こちらです

がん種 全症例数 評価済み症例数 改善例数 無効例数 改善率1 転帰不明追跡不能 改善率2 経過観察中 投与中止
改善 長期不変・無増悪 (1年以上) 無増悪 (6ヶ月以上1年未満) 無効 改善例数/(改善例数+無効例数) 転帰不明も 無効とした場合
68 54 2 11 1 20 38.2% 11 28.9% 5 4
注1)
評価済み症例数の計には投与中止例が含まれている
注2)
残存腫瘍サイズ縮小、腫瘍マーカー減少、推定余命より2倍以上の延命、QOL(KPS評価)の明らかな改善等の数値化できる指標のいずれか、または、
主治医の評価による何らかの臨床上の好ましい反応があった症例
注3)
長期不変・無増悪(ワクチン投与後1年以上無再発あるいは無増悪)
注4)
(評価済み症例数から、転帰不明追跡不能例、投与中止例を除いた数を分母にとったとき)
改善率1=改善例数/(改善例数+無効例数)
注5)
(転帰不明追跡不能を全例無効と仮定した場合)
改善率2=改善例数/(改善例数+無効例数+転帰不明追跡不能)
注6)
ワクチン投与後1年未満
注7)
悪化、死亡などによる未投与・投与未了例(評価済み症例の一部に含まれている)

代表的症例

〔症例0003〕 (遠山クリニック)
 2001.12手術したが胃癌の局所が穿孔しており、腹膜播種は避けられず、余命6ヶ月と考えられ、抗がん剤療法施行。02.04肝、リンパ節転移発見。02.10自家がんワクチン療法開始、免疫反応テスト(DTH)陽転。ワクチン終了後、QOLが明らかに改善、1年経った時点でゴルフに3回も行った状態が03.11でも継続、車も買い替えた。ワクチン後に医師の強い勧めで抗がん剤療法に戻ったが、本人が勝手に休薬している。肝転移巣はCT画像上で長期不変(SD)。しかしその後進行、04.08月永眠。医師予測の5倍の期間生存。

〔症例0124〕 (すばるクリニック、2010.08.01修正)
 スキルス胃癌のうちの腺癌。04年7月自家がんワクチン接種、07年2月現在も無再発、元気でいる。

〔症例0205〕 (尾道総合病院)
 例外的に自家がんワクチンを3コース接種。1年経過時無再発。2005.01、進行胃癌に対し幽門側胃切除術施行。術中腹水細胞診陽性のため非治癒切除に終わる。2005.02より8月までワクチン3コース施行、DTH反応は陽性であった。また2005.07より06.08までUFT内服治療(300mg/day)を施行した。08.09肝転移および右鼠径部リンパ節再発を認めるまで無再発であり、3年8ヶ月の長期不変(SD)を得た。その後4コース目ワクチン、肝および右鼠径部リンパ節再発に対して放射線照射。09.03、両転移消失。

〔症例0293〕 (鶴田病院)
 低分化型胃癌、Stage II。2006.01に自家がんワクチン接種、TS-1等の補助療法は実施せず。2007.08(1年8ヶ月経過)で無再発。

〔症例0615〕 (相原内科医院)
 胃癌(膵皮膜侵潤、癌性腹膜炎あり)、術後化療をしない場合は余命数ヶ月との主治医見解。07年10月自家がんワクチン接種、他の治療は実施せず。08年09月(1年経過時)時点で全く問題なく健在。山歩きもできる状態となっている。

〔症例0642〕 (たけだ免疫・遺伝子クリニック)
 2008.01自家がんワクチン接種、08.12時点で無増悪(1年経過)。

〔症例0647〕 (小池医院 → 問合せ:アルファクリニック)
 胃癌(癌性腹膜炎あり)、2007.12自家がんワクチン接種、タキサン併用、08.11(1年経過時)まで無増悪。

〔症例0354〕 (すばるクリニック)
 ステージIIの中分化型腺がん。06年8月自家がんワクチン接種時、78歳という高齢。免疫反応テスト-2陽転、10年6月現在も問題なし。

〔症例0831〕 (乾がん免疫クリニック)
 2008年11月胃がん手術時に、腹膜播種を発見、すでに横行結腸を巻き込んでいたため、横行結腸も切除、推定余命は6ヶ月~1年であった。12月に自家がんワクチン接種、以後、温熱療法・高濃度ビタミンC療法を併用、2010年4月現在まで再発がない。すでに術後1年4ヶ月経過している。

(注) 腹膜播種(はしゅ)と診断された症例では、お腹の中全体にがん細胞がばら撒かれている状態のため、初期治療で見かけ上治ったようにみえても再発必至で、標準的な化学療法では治らないと考えられており、これまでの常識では長命を享受するのは不可能とされています。
 上記の〔症例0831〕は、自家がんワクチン療法の結果、まだ当初の推定余命(初期治療後、再発して亡くなるまで)の期間を超えたばかりとはいえ、再発の兆候さえ全くなくとても元気でQOLが非常に高いため(したがって今後も予想よりはるかに長生きできると考えられます)、〔症例0615〕とともに、現場の医師から驚きの声が出ている例です。