がん種別の症例
肺がん
2009年11月末時点までに自家がんワクチン療法を受診された肺がん症例のうち、経過報告があった症例についてソフトクライテリアの観点から評価した治療成績を以下の表とその下の代表的症例にまとめました。
評価済み症例のうちの改善例・無効例中40.9%で、臨床的に見てなんらかの改善効果(改善例 + 1年以上の長期不変・長期無増悪例)が見出されております。ソフトクライテリアは、学術的にみて厳密な評価基準(ハードクライテリア)とは異なるものですが、参考にしていただければ幸いです。
下表の改善率-1の定義は → こちらです
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| 肺 | 80 | 72 | 9 | 9 | 6 | 20 | 40.9% | 10 | 33.3% | 13 | 5 |
- 注1)
- 評価済み症例数の計には投与中止例が含まれている
- 注2)
- 残存腫瘍サイズ縮小、腫瘍マーカー減少、推定余命より2倍以上の延命、QOL(KPS評価)の明らかな改善等の数値化できる指標のいずれか、または、
主治医の評価による何らかの臨床上の好ましい反応があった症例 - 注3)
- 長期不変・無増悪(ワクチン投与後1年以上無再発あるいは無増悪)
- 注4)
- (評価済み症例数から、転帰不明追跡不能例、投与中止例を除いた数を分母にとったとき)
改善率1=改善例数/(改善例数+無効例数) - 注5)
- (転帰不明追跡不能を全例無効と仮定した場合)
改善率2=改善例数/(改善例数+無効例数+転帰不明追跡不能) - 注6)
- ワクチン投与後1年未満
- 注7)
- 悪化、死亡などによる未投与・投与未了例(評価済み症例の一部に含まれている)
代表的症例
〔症例0091〕 (尾道総合病院)
自家がんワクチン接種(2004.05)後、DTH反応は陰性であったにもかかわらず、1年間CEAは8.8と低いまま。1年2ヶ月経過(05.08)時、生存。
〔症例0100〕 (尾道総合病院)
2004.05自家がんワクチン接種、DTH反応は陽性。07.01時点で無再発(2年8ヶ月経過)。
〔症例0138〕 (尾道総合病院)
自家がんワクチン接種(2004.09)直後に、肝転移発見、切除。DTH反応は陽転。以後、ワクチン接種より2年4ヶ月問題なく経過。
〔症例0144〕 (尾道総合病院)
胸水混濁アデノカルチノーマ姑息的手術症例。腫瘍マーカーであるCEAとCYFRAがワクチン接種後(2004.09-10)一時上昇したにもかかわらず、接種3ヶ月後から減少しはじめ7ヶ月間減少し続けた。この間他療法は一切行っていないため、腫瘍マーカーの減少は明らかに自家がんワクチンによるもの。

1年後に(2005.10)左腕頭静脈前方リンパ節転移をPETにより発見、局所放射線治療実施(上図の右端時点で)、リンパ節転移巣消失、腫瘍マーカーCEAが正常化。ワクチン接種後3年経過時、QOLは問題なく、2009.10現在も腫瘍マーカーの再上昇も全くなく、健在。
(2011.11.20追記:上図右端の時点でリンパ節転移が見つかり、そこに放射線照射、以後4年以上完全寛解状態が続いている。通常、肺がんリンパ節転移があった場合、その場所だけなら放射線で治せても、未照射の他のリンパ節で再発多発する例が多いため、この症例では、いわゆる自家がんワクチンの「地固め効果」によるものと推定されている。-->倉西文仁 他、第8回がんワクチン療法研究会、東京、2011.11.19)
〔症例0160〕 (尾道総合病院)
例外的に3コースの自家がんワクチン接種(2004.11まで)後、徐々に健康状態良好となり、普通の仕事に復帰(05.03でKPS 100%)。ここまで主治医判定では有効という。以後腫瘍マーカー上昇、05.05肝転移発見、化学療法開始。
〔症例0180〕 (尾道総合病院)
自家がんワクチン接種(2004.12)後、半年経過時問題なく(UFT併用例)、1年10ヶ月経過時(2006.09)も変化なく生存中。
〔症例0182〕 (尾道総合病院)
タキソール併用例。自家がんワクチン接種後1年9ヶ月経過時(2006.09)、問題なく生存中。
〔症例0429〕 (七川医院)
自家がんワクチン接種時点で、すでに多発転移あり、大学病院であきらめた症例(2006.10)。DTH反応陰性、生命予後は短いとされていたが、9ヶ月後(07.07)の診察時、病状の進行が主治医予測より遅く、ワクチン接種11ヶ月後に死亡。主治医判断で有効という。
〔症例0625〕 (銀座並木通りクリニック)
肺腺がんIIIa(T1N2M0)の術後で「自家がんワクチン(→CA19-9は上昇)+放射線治療(縦隔、右頸部)+低用量抗がん剤治療」後、4年無再発生存中。
(注) 従来の経験では「放射線治療+低用量抗がん剤治療」だけではここまで行かないことが多い(転移が非照射野リンパ節で多発してくる)ことから、腫瘍マーカーCA19-9値の上昇から一旦無効と判断された自家がんワクチンの効果が、縦隔・右頸部リンパ節への放射線治療後に発現し、重複治療効果として出たのではないかと推定されている。いわゆる自家がんワクチンの「地固め効果」と考えられる。
〔症例0985〕 (尾道総合病院)
肺がんのうちアデノカルチノーマ混合型サブタイプ(Moderately differentiated acinar adenocarcinoma>> Moderately differentited apillary adenocarcinoma )と確定診断された症例。原発巣の肺右上葉は手術。同時に切除されたリンパ節にも転移あり。術後化学療法は効果なく、脳・脾臓転移を発見(自家がんワクチン1コース目接種開始途上で)、脳・脾臓転移は自家がんワクチン接種完了後の放射線治療で消失、放射線科医が驚いている(従来常識では、ここまで進行すると脳のガンマナイフによる放射線治療でも根治することはほとんどない)。
元気に歩いて通院してきた。免疫反応テスト-2は陰性、自家がんワクチン2コース目を追加接種したが、その後の免疫反応テスト-3も陰性。
(注) 通常、肺がん・脳転移がある場合の予後は、岡山市立市民病院院長・岡山大学医学部脳神経外科教授・松本健五先生によれば(* http://health.nifty.com/cs/catalog/idai_qa/catalog_925_1.htm )、
「一般的に、診断後何も治療をしなかった場合の平均生存期間は1~2ヶ月程度です。また放射線治療のみでは3~4ヶ月、(脳の)手術および放射線治療を行い得た場合でも術後生存期間は平均10ヶ月に過ぎません。」
という厳しいもの。
本症例は(脳の手術なし、ガンマナイフによる放射線治療のみ)、この記載時点ですでに自家がんワクチン1コース目接種開始後11ヶ月、ガンマナイフ治療後8ヶ月たっている。著効例といってよい。
〔症例0996〕 (東海クリニック)
09年8月、自家がんワクチン接種、DTH-2は陽転。来院時点ですでに腫瘍残存、胸水貯留あり、地域がん治療の中心的病院の前治療医から見放されたという終末期だった。抗がん剤療法と考えられる前治療の詳細は不明。8月以後、その中心的病院からは2ヶ月ごとに患者死亡?との問合せがあったため、来院時の推定余命は(前治療医はおそらく3ヶ月以下と考えていたようである)、間違いなく6ヵ月以下。ワクチン接種後、温熱療法を併用、09年12月に腹水貯留を認めるまで4ヶ月間安定状態となった。以後増悪するも10年7月時点(ワクチン接種開始より11ヶ月)で生存中。
本症例は、温熱療法の経験が長い現主治医によれば(温熱療法のみよりは)「自家がんワクチン+温熱療法」の延命効果はあったとの判断であった。




















